4回
2022/05 訪問
奥さんの誕生日にうかがう
奥さんの誕生日にうかがう。私の誕生日もこちらにうかがったのでつまりお気に入りのお店という
ことだ。空いていそうな平日にうかがうせいもあるけど、素晴らしいお料理と凝ったワインに加え
お店に流れる空気感というか居心地の良さが魅力。
6時にうかがうと今日も2組。多分私が食べログに書くレビューに調理をしているところを見ている
のが好きだと書いているのからだろう、今宵は調理場の真後ろのカウンターの席が用意されていた。
こういう細かい気遣いもこのお店の魅力だ。
シャンパンを飲みながらこちらの名物のアミューズを。一つ目はエクレア。ローリエ風味の生地に
オレンジピールと鶏のレバー。文句なく美味しい。
二つ目は超小ぶりのドーナツ生地の上にコンテチーズのムースとキャビア、上にはハーブがあしら
われている。どちらもお腹いっぱい食べたくなるほど美味しい。
続いてフォアグラ。ワインは南仏のシュガリス。フォアグラをドライイチジクで繋いで周りをヘー
ゼルナッツで固めたもの。それにアメリカンチェリーのコンポートと野菜(名前は憶えていませ
ん)そして粉のカカオを散らしてある。これが濃厚且つ爽やかでえも言われるほど美味しい。南仏
のシュガリスは常温に近い温度だと甘さが感じられ、フォアグラに見事にマッチする。
オードブルの二品目はイタリア産グリーンアスパラとホタルイカ、スルメイカ、雲丹を合わせたか
なり野心的な一皿。かなり魚介の風味が強いがパプリカのソースがうまくまとめている。合わせる
ワインはジュラのシャルドネ。
オードブルの最後はオマール海老のバスケーズ。ソースが濃厚ながら風味豊��でとはいえオマール
海老の味を消さずに引き立てるこれも見事な一皿。
お魚のメインは石鯛。前回もいただいたが特殊な製法で熟成させたもの。それをレアなミキュイに
仕立ててある。そして太い北海道産のアスパラガス。サフランのソースが絶妙で、これも文句なく
美味しい。合わせるワインは南仏のロゼ。これがロゼとは思えないほど濃いというか旨口で、お料
理との相性はぴったり。
お肉のメインは鳩。ジビエの季節ではないので濃厚な血なまぐささはないけれど、各部位を丁寧に
別々の焼き方で仕上げておりこれもまた唸らされる一皿。合わせるワインは私はいつものコートデ
ュローヌ。好みは十分把握されている。奥さんはベリーの香りが特徴のボルドーで。
デザートの前に食後酒でシャルトリューズをいただく。ル マンジュ トゥーもそうだけど通うこと
になるお店は大抵シャルトリューズから伝次郎の話になって打ち解けるのが常。一番最初にうかが
った時にやはり最後にシャルトリューズをいただいて伝次郎の話になった。今回もそういう流れに
なったので実は今月頭に他界した話をする。今夜は伝次郎の供養をしながらシャルトリューズをい
ただく。お店がまた気を遣って下さってこの分はサービスで。本当にありがとうございます。
デセールの一皿目は爽やかなキウイとパイナップルの組み合わせ。二皿目は長崎産のビワをコンポ
ートにして、uva茶のアイスクリームと合わせた手の込んだ一皿。奥さんのお皿には誕生日のデコ
レーションが。
最後のお茶菓子がいつも楽しみにしているパフェ。絶妙なコンビネーションで堪能しました。
シェフが最後に今夜のお皿の中で一番良かったものを訪ねる。奥さんは鳩を選ぶ。私は全部よかっ
たのでしばらく悩んでフォアグラを選んだけど(カカオの香りが絶妙でした)石鯛とオマール海老
も捨てがたい。もちろん鳩も。
あれこれ迷うくらい、どのお皿も満足が行く素晴らしい時間を過ごさせていただきました。シェフ
と結構長く話をしたので6時に入店してお店を出たのが9時半過ぎ。ただ鎌倉なので10時半までには
家に着いてお風呂に入っても11時過ぎには就寝できる。こういうのは本当にいいなぁと思います。
ごちそうさまでした。またうかがいます。
魚料理のメイン 21日熟成石鯛
肉料理のメイン 鳩
フォアグラ
お茶菓子と名物のパフェ
グリーンアスパラ(イタリア産)とホタルイカ・雲丹
オマール海老バスケーズ
アミューズⅠ
アミューズⅡ
グランデセール 長崎県産ビワとuva茶のデザート
アヴァンデセール キウイと台湾パイナップル
食後のシャルトリューズ
シャルトリューズで伝次郎(シャルトリュー)の供養をする
ハーブティー
南仏 シャトーヴィニュローのロゼ
鳩に合わせる赤ワイン ボルドー(奥さん)とコートデュローヌ(私)
ジュラの白
南仏シガリュス
シャンパン
食後酒の棚(2段目左端がシャルトリューズ)
今宵のメニュー(カルテ)
2022/05/27 更新
2022/02 訪問
レベルの高いお料理と心遣いに唸らされる
誕生日にこちらにうかがう。考えてみれば昨年も緊急事態宣言が明けて少し遅い誕生日ディナーに
伺ったと思う。気に入ったのでまたと思ったが、その後のコロナの影響で晩秋まで外でお酒が飲め
なかったこともあり、ほぼ1年ぶりの訪問となった。
こちらの定休日は火水。こころやさんもそうだけど、鎌倉方面はこのお休みパターンが多い。尋ね
ると土日は観光客が多くて地元の人は敬遠するので月曜日は地元の人のために開けるのだそうだ。
当日も地元の常連さんがもう一組来店されていた。
当日うかがうと最初のお客さんだったのでテーブル席とカウンターを選択可能で、今回はカウンタ
ーでお願いした。私はシェフや板前さんが料理をしているのを見るのが大好きなのだ。
シャンパンChampagne Hubert Noiretをいただきながらこちらの名物のエクレアのアミューズを。
白ごまを練り込んだ生地にせり科のお野菜とアーモンドをアクセントにしたものとアオリイカ。八
朔の上にキャビアをのせたものの2種。中身と言うかトッピングももちろん美味しいんだけど、エ
クレアの生地と土台がすごく美味しい。これはちょっと反則だと思う。
続いて写真が見にくいんだけど、穴子とフォアグラを積み上げて間に独活を挟んだお料理。食べる
のが難しいのだが、食感と穴子の香ばしさとフォアグラの豊潤さが溶け合い、それを独活がうまい
具合に中和しながらという見事なお皿。
続いて岩手の大ぶりの牡蠣をほんの少しお湯に通したものをやや酸味の効いたソースでいただく。
ソースには野菜とハーブが溶け合い、上にはカラスミがパウダー状にまぶされている。すごく贅沢
なお皿。牡蠣の食感が見事でうっとりする。シェフが自家製のカラスミを二種味見させてくれる。
一つはこのお料理に使っているフランスの食前酒パスティス(日本で言えばアブサン)に漬けたも
の、もう一つはシングルモルトのBowmoreに漬けたものだ。風味の違いが面白かった。
穴子と牡蠣に合わせるワインはアルザスのロゼ。このペアリングがまた見事でした。
続いてオードブルの最後は白子。しっかり炙ってチーズをのせてオーブンで焼いたものをソースの
上に載せてある。先程の牡蠣のソースに見た目は似ているけど味は全然違う。これがまた何とも言
えずに美味しい。
合わせるワインはブルゴーニュのアリゴテ。カリフォルニアのアリゴテは何度か飲んだことがある
けどブルゴーニュは初めて。安めのワインに使うブドウをうまく仕上げている印象。そして何より
もこのお料理にぴったりと言うか、このお料理のためにあるようなワイン。ペアリングの妙を感じ
ました。
魚料理のメインは鰆。48日間熟成とのこと。鮮魚を1か月以上熟成するのもすごいが、それを絶妙
な火加減のミキュイで仕上げている。付け合わせのもろもろ(すいません聞いたのですが覚えられ
ません)とソースが絶妙でした。
合わせるワインはPouilly Fume。レビューを書くのに見返したら昨年もいただいた。大好きなワイ
ンの一つ。どうもそれを覚えて下さったようで、気遣いに頭が下がる。
お肉のメインは本日の白眉ともいえる鴨のロティ。違う部位を違う調理法で組み合わせてくれるも
の。いろんなお店で鴨を食べたけどこれは最上位に位置すると思う。至極の逸品でした。
合わせるワインはちょっと複雑なコートデュローヌ。この辺りで鈍い私も気が付いたが前回気に入
ったものや好きだと言ったワインがちゃんと用意されている。私はプロバンス辺りの赤ワインが好
きなのだ。シェケンタロウでもお肉のメインにはほぼこれが出てくる。シラーとグルナッシュの組
み合わせでグルナッシュ強めが大好きだ。こちらのシェフとソムリエはケンタロウさんの薫陶を受
けているからそういうことは大事にするんだろうな。こういうのはお客にとっては嬉しいことです。
デザートの前にやはり前回食後酒を飲んだことを覚えていて下さって勧めてくれるが、最近ちょっ
と酔いが回りやすいので辞退する。するとサービスでRatafiaをちょっとだけ飲ませてくれる。こう
いうのもうれしいなぁ。
アヴァンデセールはあんまりフレンチで出てこない晩白柚。私は初めてだけど田舎出身の奥さんは
地元で獲れるので知っていた。晩白柚がこんな上品なデザートになるとはと驚いていた。
グランデセールはカカオのアイスクリームとキャラメル、サブレ、ナッツの組み合わせにトリュフ
のスライスが。すごくゴージャスで美味しいデザートでした。
ミニャルディーズは最初は自家製マカロンと鎌倉銘菓クルミっ子風のお菓子。そしてミニパフェ。
このミニパフェがまたお見事でした。
今日も真ん中の13,750円のコース。湘南界隈ではお高めだけどこれだけの満足感があればCPもい
いと思う。というかこのお料理と心遣いのレベルは鎌倉でも頭抜けていると思う。評点を上げます。
自分の中ではルマンジュトゥーに次ぐ高評点のお店に。ごちそうさま、また伺います。
名物のエクレアのアミューズ
メイン肉:青首鴨のロティとモリーユ茸
メイン魚:48日熟成のサワラのミキュイ
お店外観(2Fがお店です)
白子のソテー
グランデセール(カカオ、トリュフ、キャラメル)
アヴァンデセール(晩白柚)
穴子とフォアグラと独活
牡蠣
牡蠣にまぶしているカラスミ(今回はパスティスで漬けているカラスミ、他にBowmoreに漬けているものも)
最後のミニャルディーズ
ハーブティーと最初のミニャルディーズ マカロンとクルミっ子風
調理場
サービスでいただいた食後酒(Ratafia)
渋めのコートデュローヌ
Pouilly Fume
ブルゴーニュのアリゴテ
アルザスのロゼ
今宵のシャンパン・Champagne Hubert Noiret
2周年の時にお客さんにプレゼントされたライト。ダウンライトタイプでお皿を照らしてくれる
2022/03/07 更新
2021/04 訪問
「ごちそうさま、本当に美味しかった」と心から��えるお店がまた1軒
レビューが長くなるので最初に感想を。鎌倉の中でもやや高めの価格設定ながらお料理とサービス
のパフォーマンスは価格をはるかに上回る。素材の吟味と下処理はもちろんのこと、ソースのレベ
ルの高さワインのセレクションは神奈川トップクラスかと。洗練されていながら気の置けない雰囲
気といい、通いたいお店がまた1軒増えました。
最近マイレビさんの間で鎌倉で最も評判のいいこちらのお店。2月に誕生日と定年を迎えるので伺
おうと思っていたら緊急事態宣言と時短営業。ようやく営業時間が9時まで伸びたのと、うかうか
してるとまた時短になりそうな雰囲気なので慌てて訪問する。
マイレビ様方は事前リクエストを出している様子ながら初訪問なので真ん中の13,750円(税込み)
のコースを予約。やや高めな印象ながらその分期待は高まる。6時に伺うと平日なためか当日は我々
のみでカウンターではなくテーブル席に案内いただく。
少し話をしながらメニューの説明をいただき同時に5杯のペアリングもお願いする。フロアの方の
対応も洗練されていて、ポッと出のお店じゃないことがすぐに伝わってくる。
シャンパンはMichel Genet。写真を撮ったはずなんだけどスマホには無く。シャルドネ100%の割
とシャープなタイプ。香りがいい。同時に出されたアミューズはこちらの名物のようで、自家製の
サブレ・エクレアの上にフォアグラやウニとお肉のように凝ったものが載っている。ピンチョスの
ように手で一口でいただく。プレゼンテーションも味も風味も申し分ない。ちょっと只者では無い
感がアミューズから窺われる。
続いてオードブルの2皿目は赤海老・アボカド・キャビア。そのルックスからやられる。涼しげで
洗練されている。赤海老は生臭さが出ないよう処理しているんだそうで、確かに旨味と食感だけが
口に残る。合わせるソースも秀逸。すべてが一体となった美味しさはなかなか表現できないほど素
晴らしい。
オードブル2皿目は季節のホワイトアスパラ。それを同じく季節もののホタテ、ホタルイカ、グリ
ーンピースと共に。ソースはエスプーマで泡立てたもの。ホタルイカが主張しすぎるけらいはある
ものの、春を感じさせてくれるみごとなお皿だ。個人的にはグリーンピースの美味しさに脱帽。
オードブル最後はオマールブルーのパイ包み。ソースは濃厚なペリゴールソース。個人的には本日
の白眉その①。パイ包み系は大好きなのだがこちらは期待を完全に超えている。レアで仕上げたオ
マールブルー(オマールエビの最高峰)と濃厚なペリゴールソースの相性が素晴らしい。ソースは
誰も見ていなければお皿ごと舐めたいくらいだ。
メインの一皿目は甘鯛。皮は和食のうろこ焼きのように仕上げている。身の焼き加減も絶妙だしソ
ースとの相性も言うことない。
メインの2皿目は仔羊。このお皿は今日の白眉その2。仔羊の火の通し方が完璧で塗ってあるピス
タチオを砕いたものとソースとの相性も最高だ。正直ここまで完璧な仔羊はなかなか食べたことが
無いと思う。
ワインはお皿に合わせて、白はランドック、ブルゴーニュ、アルザスと3種類出してくれる。
ランドックはバナナのような濃厚な力強さを酸味がまとめているすごく面白く美味しい。
ブルゴーニュはマコンの近所のLoche。初めて飲むワイン。サンロマンほどではないけどミネラル
感があっていい感じ。
アルザスはリースリング。リースリングから想像されるものより華やかで力強い。
こういう面白いけど美味しいワインを出すためには時間をかけた努力が隠れているんだと思う。
赤は何故か写真が残っていないんだけど(私は未だにスマホの写真はど素人で撮ったのに残ってい
ないことがよくある)確かローヌ辺りのしっかり目だったかと。スパイシーで好みでした。
デザートはリンゴのシャーベットから始まり、フォンダンフロマージュとジェラート、最後のプテ
ィフールと続く。最近の流行りなのかお客さんの好みなのか甘さを抑えている。デザートは思いっ
きり甘いのが好きな私はちょっと不満が残ったけど、プティフールの小さなグラスに入ったムース
が甘かったので良しとしようか。プティフールも写したはずなんだけど・・・。
すごく満足したので満足した時だけいただく食後酒をお願いする。これも何故か写真に写っていな
い。撮ったはずなんだけどw。私はマール、奥さんはシャルトリューズをいただく。シャルトリュ
ーズが普通に置いてあるフレンチレストランは凄いと思う。
最後に奥さんはコーヒー。私はカモミールティーを。カモミールティーの後ろにシャルトリューズ
のボトルが写っています。
お会計は5杯のペアリングと食後酒を入れて45,000円弱。満足度はそれをはるかに超えている。シ
ェフとソムリエ兼サービスの若いお二人について尋ねると、あの七里ガ浜の名店シーヴァで同時期
に働いたご縁とのこと。鎌倉・湘南は若い才能が花開きやすい環境かもしれない。
またアクセスが悪くてなかなか通えなかったシーバは近々ご近所に引っ越してくるのだそうだ。場
所はカマクラジェラートの2Fとか。すごく凝った内装のお店にするそう。これはちょっと注目です。
最後に気になる所。あくまで個人の思いですが。
一つ目はパン。これだけのレベルのお料理を出すお店なのに自家製のミルクパンはちょっと弱い。
カフェのレベルか。ライ麦パンもあるようなんで次回はそれをお願いしてみようかと。
二つ目はカラトリ―。シェフは最初銀座の正統派レカンで働いたとのことでその影響かもしれない
けれど、カラトリ―がオーソドックスでかなり重たい。こちらのお料理はソースや細かい付け合わ
せに至るまですべて美味しいので、フォークでこそげ取るというか根こそぎ掬いたいのだが、重た
くてひっくり返ってしまう。最近は軽めのカラトリ―のお店も多いのでできれば・・・。
まぁそういう点を入れても満足度は揺るぐことは無く。ずっと通いたいお店がまた1軒できました。
赤海老・アボカド・キャビア
仔羊とピスタッチオ
オマールブルーパイ包み
ホワイトアスパラ・ホタテ・ホタルイカ
アミューズ フォアグラとクルミ他と雲丹肉(うにく)
甘鯛のうろこ焼き
りんごキャラメル
フォンダンフロマージュ
ランドック
ブルゴーニュ Pouilly Loche
アルザス
2021/04/14 更新
例年通り10月から地元の美味しいお店をおさらいしている。前半のハイライトが先週の清風と當店
になる。秋の食材を使った卓越したお料理をいただくことができる。こういうお店が近場にある事
は何事にも代えがたい。
江ノ電に乗って6時半過ぎにうかがう。秋になって日が短くなってくると逆にお店にうかがう期待
感が増すような気がする。最近は定席の入ってすぐのカウンターに腰かける。調理の様子が見える
とわくわくが高まる。
お料理は定番のエクレアからスタートする。今日はカカオのエクレアでカボチャのクリームを包ん
だもの。アーモンドがアクセント。もう1品はおこげの上にウニと焼きナスキャビアを乗せたもの。
おこげが本当におこげでいろいろな味が楽しめる面白い1品。
合わせるシャンパンがChapuyという家族で営むカーブのもので、説明通りリンゴの香りがする。
秋らしくて今宵にアミューズによく合うもの。
続いてのお料理は富山産のアオリイカ。身の部分と下足の調理方法が異なっていて食感も違うとこ
ろが面白い。下に敷いたカリフラワーのソースが絶妙。
ワインは5杯のペアリングで本来であればここでは出て来ないのだが、サービスでモンタニーを少
量注いでくれる。このモンタニーがお料理と合わせると絶妙で、それ以降も今宵はワインのペアリ
ングのユニークさに感服する。
お料理は続いてサンマを使ったもの。マッシュルームのソースの上に炙ったサンマ、その上にサン
マの内臓を濾して使ったソースと言う面白い1品。生臭さは感じるもののそれをマッシュルームが
うまく吸収してちょっと驚くくらいの美味しさだ。
そして合わせるのが白ではなくて赤。ブルゴーニュのマルサネだ。マッシュルームの貢献もあって
かこれがまた絶妙にマッチする。ソムリエ(実はスーシェフだそうです)の尖ったセンスが感じら
れるペアリング。
オードブルの最後はオマール海老とキノコと豚タンのラビオリをエスプーマを使った絶妙なソース
で(聞いたのですが覚えていません、スイマセン)まとめたもの。それぞれ主張が強い具材が見事
に調和して、個人的には今宵の白眉でした。
合わせるのはブルゴーニュのサンブリ。ブルゴーニュながらシャルドネではなくソーヴィニオンブ
ランを使う唯一のエリアだそう。複雑で力強い風味のお料理によく合うワインでした。ブルゴーニ
ュにもこういうワインがあるんだと認識。
メインの魚料理はクエ。こちらのお魚料理はいつも素材を熟成する。旨味が増したクエとソース
(これも聞いたのですが覚えられませんでした)が絶妙。そしていつも添えられるレモンピールを
混ぜ込んだ小さなフリットが今日も絶妙でした。私はこれが大好き。
合わせるワインはオーソドックスにコートドニュイ。ブルゴーニュは海から遠い山の中なのに魚介
類とマッチするワインを産出するところがフランスワインの実力と言うか奥の深さだと思う。
お肉のメインは鴨。それをひき肉にしてフォアグラと共にパイ包みしてくれる夢のようなお料理。
こちらのパイ包みはいつか食べてみたいと思っていたので大満足でした。付け合わせの茸、銀杏、
トリュフもいい感じ。
合わせるワインはいつものようにグルナッシュ強めのコーテュデュローヌ。私が好きなことを覚え
ていて下さりいつも出してくれる。私ら夫婦と同席する他のお客さんも特に違うものを望まない限
り同じワインが供されるのでちょっと申し訳ない感もある。ボルドーとか飲みたいのかなぁ。でも
グルナッシュが効いたランドックのワインは力強く深い。
ここからデザート。
最初はリンゴを使った酸味が強いけど味わい深いお皿。それに続いてメインの創作モンブラン。秋
らしいし彩も見事でした。美味しかったです。
とはいえこちらのデザートのメインはミニャルディーズになる。名物の自家製クルミっ子に小ぶり
のパフェ。美味しすぎてパフェの中身の説明を覚えていません(笑)
今宵も美味しいものばかりいただいて大満足でした。訪問回数が増えるほどお店の魅力にはまって
行く。ごちそうさまでした、またうかがいます。