【新宿】ラ・ギョウ・チャの男

出典:ランチ向上委員会さん

【新宿】ラ・ギョウ・チャの男

ラ・ギョウ・チャとは、ラーメン、餃子、チャーハンのセット。中華料理店の定番である3大メニューを一度に楽しめる夢のセットです。調理の手間がかかるため個人経営の中華料理店では敬遠しがちなメニューのため、主にチェーン店で提供しています。筆者が新宿で食べたラ・ギョウ・チャのまとめです。

記事作成日:2022/09/10

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる1907の口コミを参考にまとめました。

ラ・ギョウ・チャを求める旅

最も有名なラ・ギョウ・チャは、日高屋の『ラ・餃・チャセット』でしょう。日高屋が「ラ・ギョウ・チャ」という言葉を作ったと言っても過言ではないと思います。
しかし、他のお店でもセットメニューの提供はあり、サイズや味わいも様々です。そこで、新宿でラ・ギョウ・チャを提供するお店を巡り、ラ・ギョウ・チャを食べ比べしてみました。
条件は、あくまでもセットメニューであること。ラーメン・餃子・チャーハンのセットであるか、単品のラーメンに餃子・チャーハンのセットが付けられるものだけを選びました。3品の単品注文は無しです。
余談ですが、「ラ(La)」が定冠詞で、「gyocha」は「a」で終わるところが女性名詞のようで、スペイン語のような響きがあります。
ラ・ギョウ・チャを探し食べる旅は『ラ・マンチャの男』ならぬ『ラ・ギョウ・チャの男』です。
更に余談ですが、『ラ・マンチャの男』とはセルバンテスの小説『ドン・キホーテ』をもとにしたミュージカル。
『ラ・マンチャ』とはスペイン中部の地方で、 ドン・キホーテが活躍する舞台となる場所です。
このまとめは、ドン・キホーテ、セルバンテス、スペインとは一切関係ないまとめです。

光来

フジキン製麺という製麺所の直営の中華料理店。

製麵所、中華料理としてなかなかの歴史のある会社で、お店は古めかしい内装で雰囲気を出していて、味わいも町中華そのものという名店です。

こちらのラ・ギョウ・チャは、麺類に『餃子・チャーハンセット』を追加することで完成します。
残念ながら、完成した順にラ・ギョウ・チャは提供されます。

麺と皮がハイクオリティな製麵所のラ・ギョウ・チャ

素朴で自然な味わいに仕上がっている中華そばは昭和のラーメンそのものですね。

具になるとやゆで卵が入るあたりからも昭和レトロな印象があります。

製麺所が経営しているだけあって、ツルッとしているが安っぽさが無い、いい麺ですね。

餃子は見た日は凡庸ですが、きつね色に焼かれた皮のサクッとパリッとした食感が素晴らしいですね。それでいて、油は最小限にとどめており優れた焼き加減だと思います。
皮の良さもあってのことかと思いますが、そこも含めて製麺所の経営の良さが出ていると思います。

チャーハンは作り置きのもので、電子レンジで温めて提供されます。
茶碗で提供されるスタイルが、中国に原点がありながらも、日本独自に発展した日式中華の特徴が出ています。
価格が安いので、中華風の炊き込みご飯ぐらいの感覚でいただきましょう。

天下一品 新宿西口店

『こってり』で有名な天下一品ですが、こちらにもラ・ギョウ・チャがあります。

濃いラーメンに餃子とチャーハンまで足してしまうというのは、明らかにハイカロリーです。

『こってり』で有名な天下一品のラ・ギョウ・チャ

『サービス定食』がラ・ギョウ・チャです。
ラーメン、餃子はフルサイズ。チャーハンは小となっています。
3品とも注文を受けてから調理していますが、ちゃんと同時提供してくれるのはしっかりしたチェーン店だからでしょう。

透明度が無く、ドロッとしたスープこそ、天下一品の証。
非常に重そうに見えますが、実際のところ、脂ぎっとりではなく、野菜が溶けてポタージュ状になっていますね。
クセになります。

皮はパリッとしていて、中のあんはニラ、ニンニク、生姜などの香味野菜が効いている存在感を主張してくる味です。

『小』と言いつつも、見た目はややボリュームダウンした1人前といった感があります。
このあたりのサービスのよさも天下一品らしさでしょう。
食感はしっとりしているものの、強火で炒めていて香ばしい仕上がりです。

直久 新宿西口店

首都圏を中心に細々とチェーン展開している直久ですが、実は大正3年創業、昭和40年代に銀座数寄屋橋にラーメン店としてオープンした老舗です。
現在は、銀座にはお店が無いので新橋店が実質的な本店になります。
昭和な香りが漂う、ラーメン店というか、中華料理店という感じの業態のお店です。

背脂チャッチャで、昭和でもバブル時代の味わいがあるラ・ギョウ・チャ

こちらのラ・ギョウ・チャは、麺類にプラスして注文できる『Aセット(500円)』によって完成します。
選ぶべき麺は、お店の看板メニューの『こく旨らーめん・醤油』でしょう。
こちらも、3品同時提供です。

鶏ガラと醤油のスープは、懐かしの中華そばの味ですが、そこに豚の背脂をたっぷり加えて力強くしたラーメンです。
懐かしの中華そばっぽいですが、昭和でも高度経済成長期のノスタルジーを感じませんね。
むしろ、香月の背脂を彷彿させる油脂の多い味わいは、バブル時代のパワフルさを感じる仕上がりです。

王将などと比べると、サイズが少し大きい餃子です。
キャベツと肉のバランスがよく、少しジューシーで飽きが来ない味ですが、健康的です。
こく旨らーめんも炒飯も油が強めだったので、この餃子は油脂が少なくて、落ち着きました。

チャーハンは、ご飯茶碗に盛られたものでした。
残念ながら、作り置きのようですが、ちゃんと温かいものが提供されます。

大阪王将 新宿ワシントンホテル店

町中華らしさを追求して、近年、急成長している大阪王将です。

ワシントンホテルの地下にありますが、その中でも一番大衆的で入りやすいですね。

町中華を意識したラ・ギョウ・チャ

王将セットという、屋号を冠したメニューがラ・ギョウ・チャですね。
ラーメン、餃子は普通に1人前、五目炒飯のみ小サイズという、ボリュームメニュー。
もちろん、3品同時提供です。お見事です。

優しい味だけど、物足りなさが無いところで、ノスタルジックな町中華の味を意識している、王道の醤油ラーメンですね。

餃子はしっかりと、1人前の提供です。
看板メニューたる餃子は、「特徴が無いのが特徴」という感じでクセが無く、バランス重視の味わいでいくらでも食べられそうな味わいです。

パラパラに仕上げ、やや、薄味の五目御飯は、メインとなる餃子と一緒に食べることを前提とした仕上がりですね。

一竜 西新宿店

壱角家などを運営する会社の博多ラーメン業態のお店です。
一等地の角地にあり1階だけでなく、4階までお店になっています。
壱角家にサイドメニューでチャーハンはありませんが、一竜にはラ・ギョウ・チャがあります。

豚骨ラーメン、黒チャーハンと個性的なラ・ギョウ・チャ

『ラーメン+一竜セット』というメニューがラ・ギョウ・チャです。
3品同時提供は、チェーンだからこそ成せる技。お見事!

豚骨臭さが無いのでスープはセントラルキッチンで作られているかと思いますが、ストレートの細麺の噛み応えはまずまずのものです。

餃子はいかにも冷凍ものという感じですが、チャーハンもたまり醤油を使った黒チャーハンで、見た目にも力強さががりますね。

日高屋 西新宿1丁目店

言わずと知れた、ラ・ギョウ・チャの元祖。
そして、低価格で有名な給料日前の友である日高屋です。
西新宿のお店は1階と地下1階に座席があり、収容力抜群です。

ラ・ギョウ・チャも豊富にあり、そのものずばりの『ラ・餃・チャセット』は、半ラーメン・半チャーハン・餃子3個のセット。
他にも半チャーハン+餃子セットは、4種のラーメンから選べ、ラーメンと餃子はフルサイズになります。

ラ・ギョウ・チャの元祖、日高屋は豊富なバリエーション

他店と見劣りしないよう、今回は、『中華そば・半チャーハン+餃子セット』を選択。

安いラーメンなので、塩気が尖っていますが、かつおだしのような魚介の香りがするのがいいところ。

餃子は冷凍ですが、完成度が高く、野菜が多めで優しい味ですね。クセの無い味で軽くていくらでも食べられる印象です。下味が薄いので、中華そばのスープと合わせていただくと美味しく食べられます。

半チャーハンも味は薄めです。白飯よりは美味しい混ぜご飯ぐらいに思うといいですね。
それでも、ラーメンのスープとの相性抜群で、トータルでは、まずまずの満足が得られるのが日高屋らしさでしょう。

皇雅

東京都庁議会棟地下1階にある中華料理店です。

斜め向かいにあり、後で紹介する『芳蘭亭』は、大陸系の中華ですが、こちらは日式中華です。
庁舎内にある、一般的な専門食堂という感じの安定感があるお店ですね。

標準的なラ・ギョウ・チャ

こちらのラ・ギョウ・チャは『三味セット』です。
醤油ラーメン、半チャーハン、餃子3個のセットで、他店のラ・ギョウ・チャと比べると、ボリュームが上品です。

もちろん、3品同時提供です。

醬油ラーメンは、麺、スープ、具と全てにおいて標準的です。
最大公約数的な醬油ラーメンですね。

餃子は、皮から水分が抜けることにより、パリパリに仕上がっています。
中国の伝統的な餃子は、水餃子で皮はモチッとしていることがよいとされますが、全く異なる食感の焼き餃子は日本の味ですね。

半チャーハンは、丼に半分ほど盛られていて、まずまずの量でしょう。
具が少なめで、味も薄めなので、ラーメンのスープと共に食べると美味しくいただけます。
3種の料理を組み合わせて食べられることこそ、ラ・ギョウ・チャの醍醐味です。

中華ごはん れんげ食堂 西新宿店

東秀が運営する『れんげ食堂』とは異なる、『中華ごはん れんげ食堂』です。大陸系中華料理店のようで、メニューのバリエーションの豊富さと早い調理が魅力ですね。

ランチタイムは『サービス=スピード』という雰囲気の対応で、調理が終わったものからすぐに提供されます。

Aセットがラ・ギョウ・チャです。豊富なセットメニューの中から、1番手の『A』の称号を得ています。

スピード勝負のラ・ギョウ・チャ

比較的低価格なラ・ギョウ・チャですが、具の品目数が多いですね。
チャーシュー、メンマ、もやし、絹さや、ネギが入っています。
野菜がちょっと多めなところに気遣いを感じます。

餃子は冷凍食品もしくは、作って冷凍したもののようでジユーシーさに欠き、皮の水分が抜けています。
クセがなく、焼き加減は軽く、油もしつこくないので食べやすいです。

半チャーハンは、炒め加減は軽く、油の量もやや多く、水分量としても油の量としてもややしっとりしています。
具のほうは、チャーシュー、玉子、ネギ、カニカマですね。チャーシューの量が多く端のところを使っているので脂身が入り、これがチャーハンにコクをもたらしています。
色合いもカニカマの赤色がアクセントになっていますね。
量もまずまずで食べ応えがあるでしょう。

昌平ラーメン 新宿西口店

屋号には『ラーメン』の文字が入りますが、町中華寄り、しかも夜は中華居酒屋という感じのお店です。

こちらのラ・ギョウ・チャは、麵類に『半チャーハン餃子セット』をプラスすることで完成します。
しかし、店頭の券売機にはこのセットのボタンが無いという謎の仕様。
加えて、『ラーメン半チャーハンセット』『餃子』を頼んだほうが安いという、謎もあります。

中華居酒屋のラ・ギョウ・チャ

どのように注文したとしても、調理技術は確かなようで、3品を同時に提供してくれます。
美味しそうなラ・ギョウ・チャです。

���ープの色合いが濁っていますが、飲んでみると優しい魚介の香りです。いまどきの濃いめの魚介スープではなく、醤油ラーメンのダシの魚介が強まった感じです。
麺は、こだわりの麺だけあって、なかなかよく、喜多方ラーメンのようなちぢれ麺で、噛み応えが���いですね。この麺ですが、このビルの4階に製麵所があり、自家製麺とのこと。

小麦にこだわるだけあって、皮が少し厚めなのが特徴で、あんは野菜多めであっさりした味わいです。それでも適度に生姜が香りますし、過剰な脂で濃厚さを出しているわけではない、誠実なつくりの餃子でしょう。

量は、標準的な半チャーハンより、少し多めという感じです。
具の比率が多く、チャーシュー、なると、玉子、ネギが入っています。
ほどほどにパラパラですが、よく炒めたというよりも、硬めの炊き加減のものをチャーハンに仕立てた印象ですね。
味付けは強くありませんが、具の多さで美味しいチャーハンです。

小次郎 歌舞伎町店

店舗数はあまり多くありませんが、チェーン店のようで、餃子の王将や日高屋あたりがライバルという感じのお店です。

こちらのラ・ギョウ・チャは、『ラーメン、餃子、ライスセット』のライスをチェンジすることで完成しますが、ライスのチェンジは、『チャーハン』だけではなく、お店の名物の『オムタマチャーハン』にも変更可能です。
このお店だけのラ・ギョウ・チャを味わうべく、「オムタマチェンジ」です。

オムタマチャーハンという変わり種のラ・ギョウ・チャ

丼が大きいので量が少ないようにも見えますが、チェーン店にしては多いです。
醤油スープはごく普通のチエーン店の味という感じです。
麺は少しだけ太めのちぢれ麺です。加水率高めのツルっとした麺ですね。
具は、チャーシュー、メンマ、もやしです。

餃子は、いかにも冷凍ものという感じの表面がパサついたものです。
あんも肉と野菜のバランスはいいですが、ジューシーさは無く、簡単な副菜という感じの餃子ですね。
野菜はニラとキャベツが使われていて、スタンダードな味わいです。

オムタマチャーハンは、天津チャーハンのようにも見えますが、玉子には具が入っておらず、天津飯よりもトロトロです。
下面にしっかりと火が通るよう、高温で短時間加熱し、上面はトロトロになっています。
チャーハンの具は、チャーシュー、なると、玉子です。油多めで、しっとりしています。
全体的にオイリーですが、塩味や化学調味は強くありませんが、美味しい仕上がりになっています。
ラ・ギョウ・チャの中で一番美味しかったのはオムタマチャーハンです。
さすが、名物でしょう。

芳蘭亭

東京都庁議会棟地下1階にある中華料理店です。
こちらは、前に紹介した『皇雅』とは異なり、大陸系のお店です。

座席数が多く、宴会にも適したお店ですね。

肉っ気が多く、お供に唐揚げが付くラ・ギョウ・チャ

ラーメンセットが、ラ・ギョウ・チャです。
しかし、写真のとおり、唐揚げのお供が付くラ・ギョウ・チャです。

チェーン店ではないものの、3品を同時に提供でき、しかも、どれも作りたてというのは、調理技術の高さを感じますね。

白濁ではなく、茶色に濁る謎のスープですが、まずまずの美味しさであるのは、日本人に寄せた料理でも本場中国の技術力があってのことでしょう。
価格はあまり安くないですが、チャーシューが厚くて美味しく、良心的な内容になっています。

鉄板で提供される意味があるのか疑問でしたが、チャーハンはよりパラパラになる上におこげができます。
餃子は、時間が経っても熱々ですし、唐揚げは余計な油が落ちて衣が美味しくなりますね。

※本記事は、2022/09/10に作成されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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